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タイのコンドミニアム市場、2026年に販売低迷が過去最悪水準へ 投資家が今取るべき戦略とは

タイのコンドミニアム市場、2026年に販売低迷が過去最悪水準へ 投資家が今取るべき戦略とは
Photo: Asad Photo Maldives / Pexels
要点

バンコクポストの報道によると、2026年のタイ・コンドミニアム販売は記録的な低水準に向かっている。外国人による購入は5年ぶりに前年割れが見込まれる一方、プーケットは観光需要に支えられ相対的に底堅い動きを見せている。

結論から:2026年のタイ市場はどうなるのか

バンコクポストの分析によれば、2026年はタイの住宅市場において取引量が過去数年で最も落ち込む年になる可能性が高いとされています。K-Researchの予測では、外国人によるコンドミニアム購入は2026年に前年比20%減少する見通しで、これは実に5年ぶりの前年割れです。ただしプーケットの高級レジデンシャル市場は、観光需要とブランド付きレジデンスへの関心に支えられ、比較的堅調に推移すると見られています。

日本人の間でも「今のタイマンションは買い時なのか、それとも様子見すべきか」という相談が増えています。数字を丁寧に見ていくと、実は悲観一辺倒の話ではないことが分かります。

Q1 2026の実データが示す市場の現実

2026年第1四半期、外国人によるコンドミニアム所有権移転は全ての指標で減少しました。

  • 移転件数:3,241戸(前年比17.3%減)
  • 移転総額:134億6,400万バーン(前年比17.9%減)
  • 使用面積:141,644平方メートル(前年比13.8%減)

バンコク首都圏に限定すると、移転件数は第1四半期だけで35%も落ち込みました。バンコクポストが引用するK-Researchのデータによると、この急落の主因は中国人およびミャンマー人買い手の需要縮小にあるとされています。

国籍別に見る明暗:中国は失速、ロシア・インド・豪州は増加

興味深いのは、国籍によって明暗がはっきり分かれている点です。

中国人買い手は国内経済の圧迫と流動性の制約を背景に、件数ベースで38.8%減、金額ベースで42.9%減という大幅な落ち込みとなりました。かつて中国資本はバンコクのコンドミニアム市場を牽引する存在でしたが、その勢いは戻っていません。

一方で、以下の国籍からの需要は伸びています。

  • ロシア:33%増
  • インド:40%増(63戸、金額ベースでは3億5,300万バーン、23.9%増)
  • オーストラリア:36.1%増

日本人投資家にとっても、これは「中国マネー頼みだった市場構造が変わりつつある」という重要なシグナルと言えるでしょう。

なぜバンコクの供給過剰は起きたのか

バンコクの未販売在庫は5万戸を超えると推定されており、この10年で最も高い水準にあります。この背景には2018年から2022年にかけての建設ブームがあります。当時、多くのデベロッパーが中国人買い手をメインターゲットに、一斉に大量のプロジェクトを立ち上げました。しかしパンデミック後、その中国からの資金流入は崩れ、いまだに完全には回復していません。結果として、大量の未販売在庫が市場に重くのしかかっている状態です。

中心部(スクンビット、シーロム、サトーン)の平均コンドミニアム価格は1平方メートルあたり12万〜20万バーンとされていますが、予約段階ではデベロッパーによる大幅な値引きが提示されるケースも目立ちます。

プーケットはなぜ底堅いのか

プーケットは、バンコクとは異なる市場ロジックで動いています。ナイトフランク・タイランドによると、特にバンタオ、ラヤン、カマラ、チェンタレーといった西海岸エリアの高級レジデンシャル市場は2026年も底堅く推移する見通しで、富裕層のライフスタイル志向や充実したアメニティへの需要から、ヴィラがコンドミニアムを上回るパフォーマンスを見せています。

さらにプーケットでは、Airbnbやブッキング・ドットコムを通じた季節性のレンタル運用によって、プロによる管理のもとで年間6〜8%の利回りが期待できるとされています。ただし物件間の競争は激化しており、地元自治体も短期賃貸の規制を強化しつつある点には注意が必要です。

なお、タイ人デベロッパーから最低300万バーンのコンドミニアムを購入すれば、1年更新型の長期滞在ビザ(あるいは代替の賃貸契約による方式)が取得可能とされており、これも投資家にとって検討材料の一つになっています。

投資判断のカギを握る2つの指標

経験豊富な投資家が注視しているのは主に次の2点です。

1つ目は新規建築許可の件数です。デベロッパーが新規プロジェクトの立ち上げを控えれば、既存の供給過剰は徐々に吸収されていきます。タイの業界団体によると、2026年上半期にはバンコクでの新規プロジェクト着工件数が実際に減少しました。

2つ目は賃料水準の安定性です。売却価格が停滞していても、賃料さえ維持されていれば、コンドミニアムは継続的にキャッシュフローを生み出すことができます。

現地で物件を実際に確認したいという方は、視察旅行の宿泊予約を早めに済ませておくことをおすすめします。特に11月から3月のハイシーズンは混雑が予想されます。

「タイ不動産」からのまとめ

タイのコンドミニアム市場の低迷は破局ではなく、景気循環の一局面に過ぎません。冷静な判断力と明確な投資期間を持つ投資家にとって、今の局面はむしろ本物のチャンスの窓と言えます。基本ルールは変わりません。実績のあるエリアを選び、信頼できる実績のあるデベロッパーと組み、値上がり益だけに賭けるのではなく、実質的な賃貸利回りを必ず計算すること。タイ不動産では、こうした市場動向を踏まえた物件選びのご相談を承っています。

出典:バンコクポスト

よくあるご質問

2026年にタイのコンドミニアムを買うのは得策ですか?

投資戦略次第です。7〜10年程度の長期保有を前提とする投資家にとって、現在の下落局面は有利な参入時期になり得ます。一方、短期での転売を狙う場合、市場はまだ下落基調にあり、短期間での利益確定は難しいため、タイミングとしては不向きです。

外国人がタイでコンドミニアムを購入する際の手続きは?

外国人は建物内の外国人所有比率が49%を超えない範囲でフリーホールド(永久所有権)として購入できます。購入資金は海外からタイバーツ建てで送金する必要があり、完成済み物件の場合、名義移転手続きは通常30〜60日程度で完了します。

バンコクとプーケット、どちらに投資すべきですか?

バンコクは安定した長期賃貸に向いており、利回りは概ね4〜5%程度です。プーケットは季節性のある短期賃貸で6〜8%の利回りが期待できますが、積極的な管理体制が必要で、閑散期には空室リスクも伴います。

タイのコンドミニアム市場が完全に崩壊する可能性はありますか?

可能性は低いと見られています。タイの市場は歴史的に緩やかな調整を辿る傾向があり、年間の価格下落幅も5〜10%程度にとどまるのが一般的です。デベロッパーは公式な値下げよりも、値引きや特典の付与で対応することが多い点も特徴です。