プーケットの土地局で、あるヴィラの登記申請が止まった。理由はタイ人株主3人の出資金の出所だった。この3人はそれぞれ違う県に住んでおり、所得申告の記録もない。数年前ならこの書類は何も聞かれずに通っていた。今は商務省事業開発局(DBD)のデータベースと自動的に突合される。
結論を先に言えば、2026年に外国人の不動産所有権が緩和された事実はない。変わったのは、以前から存在していた規制を国が本気で執行し始めたことだ。個人の外国人が直接かつ合法的に不動産を持てる唯一の道は、コンドミニアムの外国人枠(建物全体の専有面積の49%以内)でのフリーホールド購入であり、それ以外はすべて特別許可を要するか、『これは所有権ではなく賃借権だ』と正直に認めるかのどちらかになる。
タイ人名義の会社でヴィラを買う手法はなぜ機能しなくなったのか
数十年間、タイ人が51%、外国人が49%を持つ会社を設立し、その会社名義で土地付きヴィラを『購入』する手法が標準的なやり方だった。書類上は何も問題がない。会社はタイ法人だから土地を持てる、という理屈だ。
ただし実態は、タイ人株主が一バーツも出資せず、経営にも一切関与せず、白紙の株式譲渡書に署名するだけというケースがほとんどだった。この『形式と実態のギャップ』こそ、当局が見抜けるようになった部分だ。登録資本200万THBの会社が2,500万THBの土地を購入していて、しかもそのタイ人株主が所得申告をしておらず、他に20社もの企業の株主として名前が載っている、という状況が見つかれば、それ以上の質問は不要になる。
2025年以降、土地局とDBDはデータを相互に照合し、土地保有会社のタイ人株主の出資金の実際の出所を検証するようになった。さらに2026年4月には、DBDの命令(DBD Order No.1/2026)により、外国人が関与する46,000社以上の企業が一斉に見直しの対象となった。ニー・ミニー(名義)構造だと判明した場合、より厳しい罰則や強制清算の可能性もある。
ニー・ミニー所有は外国人事業法(Foreign Business Act)上の犯罪であり、罰金は10万THBから100万THB、禁固刑は最長3年に及ぶ。責任はタイ人の名義株主にも及ぶ。これは『会社を作れば大丈夫』という誤解を根本から崩す規定だ。
コンドミニアムの外国人49%枠とは何か、どう確認するのか
コンドミニアムの外国人枠は、建物内の全ユニットの合計専有面積の49%であり、ユニット数の49%ではない。この点を誤解している買主は今でも多い。実際の確認は、コンドミニアムの管理組合(ジュリスティック・パーソン)が発行する証明書によって行われ、この証明書は登記の前に土地局へ提出する必要がある。
人気の高いエリア、たとえばラワイやバンタオでは、枠がすでに埋まっていて、売主がどう説明しようと空きがゼロというケースもある。この確認は物件を見に行く際に必ず現地で行うべきであり、内覧の日程には余裕を持たせておくことをお勧めする。土地局は平日しか開いておらず、1日で契約を完了できることは稀だからだ。
外国人は土地を自分の名義で買えるのか
原則として買えない。土地法(Land Code)は外国人個人に土地所有権を認めていない。例外はごく限られており、一定の相続ケースと、セクション96の2(Section 96 bis)という規定がある。これは4,000万THB以上の承認された資産への投資を条件に、内務省の承認を得て最大1ライ(約1,600平方メートル)までの居住用地を持てるというものだ。ただし実務上、この承認が実際に下りた例は非常に少ない。
リースホールドの『30+30+30』は本当に90年の所有を意味するのか
意味しない。これは業界で広く語られてきた誤解の一つだ。登記できるリース期間は30年のみであり、それ以上の延長は登記簿に記載されない。延長の約束は、あくまで現在の地主が特定の借主に対して負う個人的な契約上の義務にすぎない。
タイの判例では、こうした更新の約束は個人間の契約上の権利であり、土地の新しい所有者に自動的に引き継がれるものではないと繰り返し判断されている。開発業者が事業を継続し、評判を重視している限りは問題なく機能するが、本当の試練は31年目に訪れる。そしてリゾートエリアでこの年数に達したリースホールド物件はまだ少なく、市場にはその『試練』についての統計データ自体が存在しない。
海外からの資金移動とFETフォームの実務
フリーホールドを登記するには、資金が海外から外貨で送金されている必要がある。5万米ドル以上の金額については、銀行が外国送金取引証明書(FET Form)を発行し、これがなければ土地局は取引を進めない。この手続きは面倒に思えるかもしれないが、逆に言えば、正しく送金目的を明記して海外から資金を移動させた買主にとって、この2年間で登記が難しくなったことは一度もない。
私たちの見解:予算3,000万〜4,000万THB未満ならタイ会社経由は検討しない
ここは意見をはっきり述べておきたい。予算が3,000万から4,000万THB未満の住宅購入において、タイ会社スキームは選択肢にすら入れるべきではない。リスクは『明日にも査察が来る』ことではない。数年後に売却しようとしたとき、弁護士をつけた買主がそのスキームでの契約を拒否し、資産が違法になるより先に流動性を失う、という点にある。
ただし例外は一つある。実際に売上、スタッフ、そして自分の資金を投じている取引先を持つ、本当に稼働しているタイ法人を経営しているなら、その会社を通じて土地を持つことは回避策ではなく、通常の企業活動そのものだ。この条件に当てはまらない読者には、以下の助言はそのまま当てはまる。
2024年に議論されていた99年リースや75%枠は結局どうなったのか
2024年、タイの閣議は関係省庁に対し、リースの最長期間を99年に延長する案と、コンドミニアムの外国人枠を75%に引き上げる案の2つを検討するよう指示した。プーケットの外国人コミュニティでは、この話題が数か月間、話題の中心を占めていた。
しかし2026年になっても、どちらの案も法制化されていない。『国を売り渡す』という政治的な反発が、『投資を呼び込む』という論理より強かった。政府が実際に行ったのは、権利の拡大ではなく、既存の権利がきちんと守られているかどうかの確認という、より安く、より速い手段だった。読者はこの現状を前提に計画を立てるべきであり、まだ成立していない草案を前提にしてはならない。
契約前に必ず確認すべきこと
頭金を支払う前に確認すべき事項は、管理組合発行の最新の外国人枠証明書、チャノート権利証の有無と抵当権など権利制限の有無、コンドミニアムの共益費の支払い履歴、そして新築プロジェクトの場合は建築許可と(必要な場合の)環境影響評価(EIA)の承認状況だ。
実務的に最も重要なのは、資金を送金する前に、対象ユニットについての外国人枠証明書を書面で取得し、送金の目的欄を正しく記載した上で海外から資金が到着するように手続きを組むことだ。この2点さえ押さえておけば、土地局で取引が破談になる主な原因はほぼ排除できる。
タイ不動産では、こうした登記や資金移動の実務面についても、購入前の段階からサポートしている。
出典:DBD Order No.1/2026(aiproperty-phuket.com経由で引用)
