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日本の10年債利回りが3%超え プーケット不動産投資への影響とは

日本の10年債利回りが3%超え プーケット不動産投資への影響とは
Photo: Pok Rie / Pexels
要点

日本の10年国債利回りが約30年ぶりに3%を突破した。この金利変化がプーケットの不動産市場、特に現金購入が主流の外国人買い手にどう影響するのかを解説する。

「タイの不動産は現金でしか買えないのだから、東京やワシントンの金利なんて関係ない」。そう考えている方は多いかもしれない。だが実際には、日本の10年国債利回りが約30年ぶりに3%を超えたという事実は、プーケットのコンドミニアム購入を検討する日本人投資家にとって、無視できないシグナルになっている。

結論から言えば、直接的な影響はほとんどない。タイでは非居住外国人向けの住宅ローンはほぼ存在せず、取引は基本的に現金で行われる。しかし、間接的な影響はむしろ大きい。金利のある世界に戻った今、「利回り5〜6%の海外コンドミニアム」という選択肢は、以前より魅力を説明しづらくなっている。

日本の10年債利回り3%超えは何を意味するのか

The Japan Timesの報道によると、日本の10年国債利回りは1996年以来となる3%の水準を突破した。過去1年でおよそ1.4ポイント上昇したことになる。20年間ゼロ近辺で推移してきた日本の長期金利にとって、これは単なるノイズではなく、資金コストの構造そのものが変わったことを意味する。

Euronewsの報道では、市場は日本銀行が9月の会合で追加利上げに踏み切る可能性を80〜90%の確率で織り込んでいるとされ、政策金利は1.25%まで上がる可能性があるという。5年債、2年債といった短い年限でも、数十年ぶりの高水準に達している。

日本は30年にわたり、アジア全域に安価な資金を供給する「資金の出し手」だった。国内の長期債が3%を超える利回りを提供するようになれば、その資金の一部は国内に回帰する。海外の不動産や株式への投資は、もはやゼロ金利ではなく、実質的なリターンと競争しなければならない局面に入っている。

米国債利回りとの関係、そしてプーケット市場への波及経路

同時期、米国10年債利回りは4.8%近辺まで上昇し、2年債は4.41%前後で推移している。ブレント原油は1バレル95ドル前後で取引されており、インフレ期待とエネルギー価格の上昇が長期資産の重石になっている。米国の利回りカーブが平坦であることは、市場が「一時的な高金利」ではなく「長期化する高金利」を想定していることを示している。

ここで重要な計算がある。年利4.8%を、テナント管理も修繕もなしに得られる「無リスクのドル資産」が存在するなら、賃貸収益を生む資産はすべて「なぜそれより優れているのか」を説明しなければならない立場に置かれる。ネットで年5〜6%の利回りを見込むプーケットのコンドミニアムは、居住目的を持たないドルベースの投資家にとって、以前ほど自明な選択ではなくなっている。

ただし、7〜10年の投資期間を想定し、資本増価(キャピタルゲイン)を主眼に置く買い手にとっては、依然として有効な選択肢である。純粋な利回りだけを目的にする議論が弱くなった、というのが正確な言い方だろう。

タイバーツは本当に「安く」買えるようになるのか

市場でよく語られる前提がある。「先進国の債券が売られてドルが強くなれば、タイの資産は外国人にとって自動的に安く買えるようになる」という考え方だ。しかし、これは過去の実例と食い違う。

タイバーツは、強固な経常収支、観光収入、外貨準備における金の比率の高さから、地域の「セーフヘイブン通貨」として振る舞うことがしばしばある。つまり、円やドルが強くなったからといって、バーツが自動的に弱くなるとは限らない。この「通貨ディスカウント」を前提に予算を組むのは、根拠の薄い戦略だと言わざるを得ない。予算は現在のレートを基準に、余裕を持って組むべきだ。

売り手の債券ポートフォリオ損失が交渉材料になる

あまり語られないが、実務上は重要な点がある。長期債に資金の一部を置いていた売り手は、今、評価損を抱えている。この状況で売り手が取る行動は二つに分かれる。

一つは、他の資産の損失を確定させたくないため、不動産の売却価格で妥協する。もう一つは、リスティングを取り下げて市況の回復を待つ。プーケットのセカンダリー市場では、この両方が同時に起きている。したがって、エリア別・平方メートル単価の平均値で市場を判断するのではなく、物件ごとに個別に事情を見極める必要がある。

筆者の見解を述べておく。米国10年債利回りが4.8%近辺にある今、賃貸収入だけを目的にリゾート不動産を買うなら、少なくとも2シーズン分の実際の予約実績(デベロッパーの予測値ではない)がある物件に限るべきだ。ただし、予算が15万ドル未満で、2〜3年以内の転売を前提にしている場合は、この議論の大部分は当てはまらない。その時間軸では、利回り計算より、立地と建設段階のほうがはるかに重要になる。

建設コストと長期滞在ビザ、押さえておくべき実務ポイント

ブレント原油が95ドル前後にある状況は、セメント、ガラス、輸送費などの建設コストに圧力をかけている。デベロッパーは通常、この上昇分を既存の販売済みユニットには反映させず、今後の販売フェーズの価格に組み込む。つまり、価格下落を待って様子を見るという戦略は、プライマリー市場では必ずしも合理的ではない。コストが上がる一方で待ち続ければ、結局は同じか、それ以上の価格で買うことになりかねない。セカンダリー市場では話が異なり、前述の通り交渉余地は物件ごとに実在する。

もう一点、実務上の変化がある。Bangkok Postの報道によれば、タイの長期滞在ビザ制度は、300万バーツ以上のコンドミニアムを購入する外国人、または月額85,000バーツ以上の賃貸契約を結ぶ外国人に対し、1年間のビザを付与する仕組みを明確化した。これは資金計画とは別に、具体的な法的基準として購入判断に組み込める要素だ。

Home In Phuketの分析によれば、2026年のプーケット不動産市場は、短期的な投機よりも長期投資を重視する層にシフトしており、ロシア、オーストラリア、中国など各国の買い手からブランド付きレジデンスやサービス付きヴィラへの需要が高まっているという。

まとめると、今のプーケット市場で有利なのは誰か

今のプーケット市場は、現金を持ち、急いでいない買い手に有利に働く構造になっている。住宅ローンに依存する買い手との競争は構造的に少なく、債券ポートフォリオに損失を抱えた売り手ほど交渉に前向きになっている。

一つ注意しておきたい。金利や為替の議論に時間を使いすぎて、現地での物件確認を後回しにするのは本末転倒だ。ラワイとバンタオという近接するエリアでも、比較可能な物件同士の価格差は、実際に現地を訪れなければ分からない細部に起因することが多い。次回の視察旅行では、数日ではなく、もう少し余裕を持った日程を組むことをお勧めする。

出典: The Japan Times

よくあるご質問

日本の金利が上がると、プーケットの不動産価格は下がりますか?

直接的な価格下落効果はほとんどありません。タイの不動産取引は現金が基本で、非居住外国人向けローンはほぼ存在しないためです。影響があるのは「機会コスト」の面で、無リスク資産の利回りが上がると、投資家は不動産にもより高いリターンや価格の妥協を求めるようになります。

タイバーツが安くなれば、プーケットの物件は日本人にとって割安になりますか?

必ずしもそうとは限りません。タイバーツは経常収支の強さや観光収入、外貨準備の金比率の高さから、地域のセーフヘイブン通貨として振る舞うことがあります。円やドルが強くなっても、バーツが連動して弱くなるとは限らないため、通貨の割安さを前提に予算を組むのは避けるべきです。

プーケットで現実的な賃貸利回りはどのくらいですか?

税金、管理費、維持費を除いたネットで年5〜7%程度が現実的な範囲とされています。10%を超える『保証利回り』を提示された場合は、保証の条件と保証会社の財務状況を必ず確認する必要があります。

タイの長期滞在ビザは、コンドミニアム購入とどう関係していますか?

Bangkok Postの報道によると、300万バーツ以上のコンドミニアムを購入する、または月額85,000バーツ以上で賃貸契約を結ぶ外国人に対し、1年間の長期滞在ビザが付与される制度があります。これは購入判断における具体的な法的基準の一つになります。