結論を先に:49%枠も2%の登録費も変わっていません
タイのコンドミニアム外国人所有枠は2026年8月時点でも49%のままです。75%への引き上げを審議中という噂はSNSや一部の不動産広告で広がっていますが、法案として国会に提出された事実はありません。また2026年7月1日から始まった登録費0.01%への優遇措置も、対象はタイ国籍者のみで、外国人は引き続き標準の**2%**を支払うことになります。プーケットでの物件購入を検討している日本人の方は、この2点を誤解したまま契約を進めないよう注意が必要です。
なぜこの誤解が広まったのか
2026年7月1日に発効したタイ王室官報の政令により、登録費が2%から0.01%へ大幅に引き下げられました。これ自体は事実ですが、一部の英語圏メディアや地域の不動産業者が「全員対象の割引」であるかのように紹介してしまいました。中には「登録費0.01%、全員対象」とうたう広告まで存在しましたが、政令の法文を確認する限り、これは正確ではありません。恩恵を受けられるのはタイ人買主のみです。
外国人が10,000,000THBのコンドミニアムを購入する場合、タイ人買主との差額は**199,000THB(約5,700米ドル)**にのぼります。これは誤差ではなく、クロージングコストの中で無視できない金額です。同様に、モーゲージ登記費用も0.01%に引き下げられていますが、こちらもタイ国籍者限定です。
外国人所有枠49%の仕組みをおさらい
この49%ルールは最近作られたものではなく、1979年のコンドミニアム法にすでに明記されており、数十年にわたる法改正を経ても核心部分は一度も変わっていません。外国人はコンドミニアムの区分所有権(フリーホールド)を個別に取得できますが、プロジェクト全体で見たときの外国人所有比率は、建物の総登録可能床面積の**49%を超えてはならず、残る51%**はタイ国籍者またはタイ資本が過半を占める法人が保有する必要があります。
特にプーケットでは注意が必要です。この枠は「戸数」ではなく「床面積」で計算されるため、大型ユニットが数戸あるだけで枠が想定より早く埋まってしまうケースがあります。人気の高いプーケット、パタヤ、バンコクのプロジェクトでは、建物が完成する前に外国人枠が満杯になることも珍しくありません。枠がすでに埋まっている場合、選択肢はタイ資本法人スキーム(独自の法的・コンプライアンス上のリスクを伴います)か、30年のリースホールドに限られ、いずれもフリーホールドと同等の権利にはなりません。
75%への引き上げ議論はどこまで進んでいるのか
75%への引き上げ論は、2024年にセター・タウィーシン政権が外国資本誘致策の一環として打ち出したことに端を発します。同時に、外国人向けに99年の土地リース制度を導入する案も検討されました。しかしどちらの提案も、タイ国内では「外国人所有の拡大が不動産価格を押し上げ、地元の買い手を締め出しかねない」という反発を招きました。
2026年半ばの時点で、両案とも正式な法制化には至っていません。タイ政府関係者によると、両案は依然として「検討中」とされていますが、この表現は実務上、何年も先送りされる、あるいは結局実現しないことを意味する場合があります。将来の枠拡大を前提に購入計画を立てるのは、誰にも確約できないタイムラインに賭けるようなものだと理解しておくべきでしょう。
リースホールドの上限は今も30年
土地の最長リース期間は現在も30年のままです。99年リース構造の提案は紙の上には存在しますが、まだ採用されていません。フリーホールドでの購入を優先するか、30年リースを前提に計画するかは、この点を踏まえて判断する必要があります。
登録費0.01%優遇が転売にもたらす思わぬメリット
この優遇措置には、あまり知られていない利点もあります。優遇期間中(2027年6月30日まで)にタイ人買主へ物件を売却する場合、その買主が享受する登録費の節約分が、価格交渉における実質的な値引き材料になり得ます。5,000,000THBのユニットであれば、買主側の節約額はおよそ100,000THBにのぼり、これは再販市場での交渉において十分な武器になります。
購入前に必ず確認すべきこと
国際的な買主が自分名義でコンドミニアムを購入する場合、計算はシンプルです。**2%**の登録費を支払う、それだけです。例外はありません。2026年のプーケット購入ガイドの多くが繰り返し指摘しているのは、外国人枠が戸数ではなく登録床面積で厳密に計算されるという点であり、だからこそ入金前にデベロッパーまたは管理組合(ジュリスティック・オフィス)から書面での枠確認を取得し、さらに土地局(Land Office)で独自に裏付けを取ることが重要です。
出典:ReloSale
よくある質問
2026年、外国人はタイでコンドミニアムを所有できますか?
はい。外国人はプロジェクトの総登録可能床面積の**49%**の枠内で、コンドミニアムのフリーホールド(区分所有権)を取得できます。支払いはタイの銀行を通じて外貨で送金する必要があり、その際に外国送金証明書(FET)が発行されます。
外国人所有枠が75%に引き上げられたというのは本当ですか?
本当ではありません。2026年8月時点で枠は**49%**のままです。75%への引き上げ案は存在しますが、法案化されて国会に提出された事実はありません。
外国人がコンドミニアムを購入する際の登録費はいくらですか?
標準税率の2%(物件の査定評価額に対して)です。2026年7月1日から2027年6月30日まで適用される0.01%の優遇税率は、タイ国籍者のみが対象です。
99年リースへの切り替えは可能ですか?
できません。現行法の下での最長リース期間は30年です。99年リース制度は議論されていますが、まだ採用されていません。
プロジェクトの外国人枠49%が埋まってしまったらどうなりますか?
その場合、外国人買主は30年のリースホールド、またはタイ資本法人を通じた所有スキームに限定されます。いずれもフリーホールド(区分所有権)に比べて法的な制約とリスクを伴います。
プロジェクトに外国人枠がまだ残っているか、どうやって確認すればよいですか?
デベロッパーまたは管理組合(ジュリスティック・オフィス)から、現在の外国人対タイ人の所有比率について書面での確認を取得し、さらに地元の土地局(Land Office)で裏付けを取ることをおすすめします。枠は戸数ではなく床面積で計算される点に注意してください。タイ不動産では、こうした枠の確認プロセスもサポートしています。
75%への枠拡大法案を待ってから購入すべきでしょうか?
不確実な法改正のタイミングに合わせて購入を先送りするのはリスクの高い戦略です。タイでは同様の提案が何年も議論されたまま止まることがあります。現時点で有効なルールを前提に判断するほうが現実的です。
