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タイで不動産を貸し出す3つの合法的スキーム【2026年版】

タイで不動産を貸し出す3つの合法的スキーム【2026年版】
Photo: Sarah Vivian / Pexels
要点

プーケットでは無許可の短期賃貸に対し1日最大2万バーツの罰金が科された事例があります。タイの賃貸法を正しく理解し、長期・短期・管理会社委託という3つの選択肢から自分に合った運用方法を選びましょう。

2024年、プーケット警察は無許可で観光客に宿泊施設を提供していたヴィラオーナー12件を摘発しました。違反1日あたり最大2万バーツの罰金が科され、一部の外国人オーナーは強制退去処分を受けています。彼らに共通していたのは、賃貸を始める前にタイの法律を確認していなかったという点です。

タイでは「長期賃貸」と「短期賃貸」は法律上まったく異なる扱いを受けます。30日以上の契約は民法上の賃貸借であり、特別な許可は不要です。一方、30日未満の貸し出しはホテル法(B.E.2547)上の「ホテル営業」とみなされ、違反すると罰金や刑事責任を問われる可能性があります。もう一つの選択肢が、専門の管理会社に物件を委託して受動的収入を得る方法です。

ポイントまとめ

  • 長期賃貸(30日以上): 許可不要、タイ法人の設立も不要。個人間の書面契約で対応可能
  • 短期賃貸(30日未満): タイ法人の設立とホテル法に基づく許可が必要
  • 8室以下の小規模物件: 簡易登録制度「非ホテル宿泊施設」の対象となる
  • 8室以上または収容人数30名以上の物件: 正規のホテル営業許可が必要
  • 管理会社に委託する場合: 収益の**20〜30%**を手数料として支払う代わりに、許可取得や運営業務を一任できる
  • TM30届出: 外国人ゲストがチェックインしてから24時間以内に、オーナーがタイ入国管理局へ届け出ることが義務付けられている

運用パターン別の解説

パターン1: 許可不要の長期賃貸

タイ不動産から賃貸収入を得るもっともシンプルな方法です。テナントと6〜12か月の書面契約を結び、月額賃料・敷金(通常は家賃1〜2か月分)・双方の権利義務を明記します。

この形態はタイ民商法典に基づくもので、営業許可もタイ法人も不要です。個人として契約を締結できます。

注意点として、賃貸期間が3年以上になる場合は、契約を土地局に登録しなければなりません。未登録のまま長期契約を結んでも法的保護が限定的となり、裁判で不利になる可能性があります。

プーケットにおける長期賃貸の年間利回りは物件価格の**5〜7%**程度が目安です。パタヤでは物件価格が比較的低いため、利回りがやや高い傾向があります。

パターン2: 許可を取得した短期賃貸

日単位・週単位の短期賃貸は、長期賃貸と比べて1.5〜2倍の収益が見込める反面、法的手続きが複雑になります。

ホテル法B.E.2547(2004年制定、2023年および2026年改正)では、30日未満の宿泊提供はすべてホテル営業として分類されます。合法的に運営するためには以下が必要です。

  • タイ法人の設立
  • 営業許可の取得(8室未満なら簡易登録の「非ホテル宿泊施設」、それ以上なら正規のホテル営業許可)
  • 消防・衛生基準への適合
  • 外国人ゲストのチェックインから24時間以内にTM30を届け出ること

コンドミニアムオーナーが陥りやすい落とし穴として、多くのマンションは管理規約(ハウスルール)で短期賃貸を禁止しています。管理組合はルール違反者に罰金を科す権限を持っており、正式な許可を持っていても無効となる場合があります。短期運用を目的にコンドミニアムを購入する際は、必ず事前に管理規約を確認してください。

パターン3: 管理会社への委託

タイに常駐していないオーナーにとって、認可を受けた管理会社に物件を任せることが現実的な選択肢です。収益配分の一般的な割合はオーナー70〜80%、管理会社**20〜30%**です。

管理会社はゲストの集客、清掃、メンテナンス、法令対応、TM30の届け出をすべて代行します。管理会社がすでに必要な許可を保有しているため、オーナー自身がタイ法人を設立する必要はありません。

ただし、税務上の義務はオーナーが負います。受け取った収益に対する個人所得税(PIT)と土地建物税はオーナーが申告・納付しなければなりません。

パターン4: 転貸によるビジネス運用

長期契約で物件を借り上げ、それを短期で転貸するビジネスモデルを選ぶ起業家もいます。この場合は以下が必要です。

  • タイ法人の設立
  • 原賃貸借契約への転貸許可条項の明記
  • 短期貸し出しに必要な許可(非ホテル宿泊施設または正規のホテル営業許可)

オーナーから書面で転貸の許可を得ていない場合、この仕組みは違法となります。

運用方法の比較表

項目長期賃貸短期賃貸(8室未満)短期賃貸(8室以上)管理会社委託
最低滞在期間30日1日1日契約による
タイ法人不要必要必要不要
許可の種類不要非ホテル宿泊施設正規ホテル営業許可管理会社が保有
プーケットでの利回り年5〜7%年8〜12%年10〜15%年5〜10%
オーナーの関与中程度高い高い最小限
税金所得税+土地建物税所得税+土地建物税+消費税所得税+土地建物税+消費税所得税+土地建物税
罰金リスク低い中程度許可なしは高い低い

主なリスクと失敗例

1. 無許可での短期賃貸運営 外国人オーナーに最も多い違反です。近隣からの通報が警察の立ち入り検査につながります。罰金は1日2万バーツに達し、刑事責任を問われる場合もあります。

2. コンドミニアムの管理規約の無視 短期賃貸の許可を持っていても、建物の管理規約で日単位の貸し出しを禁止している場合があります。購入前に必ず規約を確認してください。

3. TM30届出の失念 外国人ゲストのチェックインから24時間以内に届け出なければなりません。未届けの場合、1件につき最大1万バーツの罰金が科されます。管理会社に委託している場合は自動的に対応してもらえることがほとんどです。

4. 長期契約の未登録 3年以上の賃貸契約を土地局に登録しないと、テナントが契約内容を法廷で争える状況になります。登録費用は賃貸総額の**1%**です。

5. 不適切な法人設立 タイ法人を設立する際は外国事業法に準拠する必要があります。実態のないタイ人名義人(ノミニー株主)を使うことはタイ法違反とみなされます。

6. 賃貸収入の無申告 賃貸収入には**5〜35%**の累進税率で個人所得税が課されます。無申告は追徴課税と延滞税の対象となります。


タイの賃貸法は複雑に見えますが、順を追って整理すれば十分に対応可能です。まず自分の賃貸形態を決め、物件に必要な許可を確認し、税務上の負担を事前に試算しておくことが大切です。タイ不動産では、物件探しから法的な手続きのサポートまで日本語でご相談いただけます。

よくあるご質問

プーケットのコンドミニアムを毎日単位で貸し出すことはできますか?

正規のホテル法上の許可を取得すれば法律上は可能ですが、多くのコンドミニアムは管理規約(ハウスルール)で短期賃貸を禁止しています。管理組合は規約違反者に罰金を科す権限を持っているため、購入前に必ず対象物件の管理規約を確認することが不可欠です。

タイ法人を設立しなくても賃貸収入を得られますか?

30日以上の長期賃貸であれば、個人としての書面契約だけで運営でき、タイ法人は不要です。一方、30日未満の短期賃貸を行う場合はタイ法人の設立とホテル法に基づく許可が義務付けられています。管理会社に委託する場合も、会社側がすでに許可を保有しているため、オーナー自身の法人設立は不要です。

TM30とは何ですか? 誰が届け出るのですか?

TM30はタイ入国管理局への届出で、外国人が特定の住所に滞在していることを報告するものです。物件オーナーまたは管理会社がゲストのチェックインから24時間以内に提出する義務があります。入国管理局のオンラインシステムから届け出ることができ、未届けの場合は1件につき最大1万バーツの罰金が科されます。

プーケットでの賃貸利回りはどのくらいを見込めますか?

長期賃貸(30日以上)の年間利回りは物件価格の5〜7%程度が目安です。適切に運営された短期賃貸では年間8〜12%に達することもあります。ただし、立地・物件クオリティ・季節性に大きく左右されます。11月から4月のハイシーズンには年間賃貸収入の約70%が集中する傾向があるため、オフシーズンの稼働率対策も重要です。